一途な彼は俺様モンスター
確かに私の肩の上にバネちゃんがいるのに、なんか変な感じだな…





「宮坂さん!」



びくっ



すると、後ろから誰かに名前を呼ばれる。

バネちゃんが肩に乗っているせいか、悪いことしているわけじゃないのに、何故かガチッと固まってしまう…


恐る恐る振り返ると…





「せ、先生…」


私の担任の先生が、私に小走りで近づいてくる。





「久しぶりだね~体調は大丈夫なの?」

「え、ええ…もうすっかり…ご心配おかけしました…」


そうだった…

私は体調不良で休んでたことになってたんだった…





「無理をせず、ゆっくり勉強してね」

「はい。ありがとうございます」


先生はそう言って、私の肩をポンと叩いた。

しかも、バネちゃんが乗っている方の肩だ…

しかし、先生の手はバネちゃんを貫通して私の肩に届いてすぐに離れた…




バネちゃんが、一瞬透けた!

モンスターってやっぱりすごいや…





「あれが浅海様の先生デスカ?」


先生の後ろ姿をみて言うバネちゃん。




「そうだよ」

「へえー優しそうな人デスネ」

「うん、優しいよ。あの先生だけじゃなくて、この学校の先生はみんな優しいよ」


金持ち学校だもんね。

優しいというか、生徒に対して先生はすごく丁寧に接するよね…

きっと、それぞれの親がうるさいからだろうけど…





「じゃ、教室行こうか。もうすぐチャイム鳴るし」

「ハイ!」


私とバネちゃんは、教室に向かった。
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