一途な彼は俺様モンスター
本当に寝るんだ…

昨日も仕事だったし、疲れてるんだね。


私は物音を立てないように座る位置をずらして、壁に寄りかかる体制をとった。





「浅海…」


ビクッ



すると空翔さんが、目を閉じながら口を開く。




ヤバ!

うるさかったかな?




「…俺がお前を守ってやるから、お前は安心して学校生活楽しめよな」

「…!」


空翔さん・・・




「まあ、学校なんてめんどくせえけど…お前が大人になった時、学校行ってて良かったって思えるよ。こんな金持ち高校でも、あと半年だけど思い出つくれ」


空翔さんは、それっきり何も言わず寝てしまった…





「ありがとう…空翔さん……」


私はそうポツリと言った。




空翔さんとバネちゃんがいるんだもん…

学校生活が、毎日楽しくなるよ。


楽しい思い出がつくれるに決まってる…




私はそう思ったあと、空翔さんの寝顔を見つめた…





どうして、私にここまでしてくれるんだろう…


空翔さんが私に優しくしてくれるたびに、私は胸の中の何かが呼び覚まされる気がするの…




私が忘れてるなにかが…











「黒井くんは家どこー?」

「彼女いるの?」

「好きな食べ物は?」

「趣味は?」

「お父様はなんのお仕事してる?」



1時間目をサボりチャイムが鳴って、空翔さんとバネちゃんと教室に戻ってくると…

空翔さんは、女子たちに囲まれて大人気だった。




予想はしてたけど…

まさかこんなにとは思ってなかった…



空翔さんがモテるのは仕方ないことだけど、なんかちょっと嫌だな。


胸がチクチクするよ…

なんでだろう…
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