一途な彼は俺様モンスター
なんでこんなに、モヤモヤするんだろう…




ガタ…






すると急に、自分の席から立ち上がる空翔さん。

そして、どんどん私に近づいてきた。



な、なに!?





「…100円貸して」

「へ?」


空翔さんは、私に手を差し出す。




「100円て…財布は?」

「バネが持ってるけど、あいつ今寝てるから」

「!」


空翔さんの席を見ると、バネちゃんは机の上で大の字になって寝ていた。




「…いいですけど・・・何買うんですか?」

「ジュース」

「ジュースは130円ですよ」

「あ、そうか。つーか細か」

「…すいません」


でも、そこちゃんと言わないとダメじゃない?




「自販機どこ?案内して」

「あ、いいですけ・・・・・・っ!」


ふと周りを見ると、クラスの女子たちから痛い視線を送られていることに気付く。




私のこと、みんな睨んでる…


そりゃあそうだよね。

この前まで目立たなかった私が、こんなイケメン転校生と話してるなんて…

クラスメイトからしたら、おもしろくないことはわかってる。





「…場所教えるんで、自分で行ってください」

「は?なんで?」


私は財布からお金を出して、机の上に置き空翔さんから離れようとした。





「どこ行くんだよ?」


空翔さんに、腕を掴まれる。




「ちょっと体調わるいんで、保健室に…」

「…いいです」

「いや行くし」

「大丈夫です。てゆうか、来ないで」

「っ!」


私はボソボソと声を出して、空翔さんから離れた。





なんて、かわいくないんだろう…



クラスメイトから睨まれたから、こうなっただけじゃない。

女子たちが空翔さんを囲んで、目をハートにして、楽しそうにしてたから…



これって、ヤキモチ?




だったら、空翔さんとジュースを買いに行けばよかった…

でもこわい。

女子たちがこわいよ…





コンコン


ガラ…




「失礼します…」
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