一途な彼は俺様モンスター
記憶がなくたって、関係ないんだ…


私が空翔さんを好きになってく気持ちは、止められないんだよ……





「またサボりですかー?」



っ!!!




すると突然、私のいるベットのカーテンを空翔さんが開けた。

思わず叫びそうになったが、とっさに我慢した。





「ななな、なんでいるんですか!?ってゆうか、誰か入ってきた音なんかした!!?」


何も聞こえなかったけど…!




「ドアからなんか入ってきてねえよ。壁から抜けてきたんだ…」

「そうですか…」


空翔さんは、私のいるベットの上にドカっと腰をおろした。

手には、缶コーヒーと紅茶を持っている。




「…ん」

「え…」


持っている紅茶の方の缶を、私に差し出す空翔さん。




「あ、私にですか?ってゆうか、ジュースを2本も買えるお金持ってたんですか?」


さっき財布ないから、お金貸してって言ったくせに。




「ちょうどバネが起きたから、財布もらって買ったんだよ」

「…本当ですか?」


なんか嘘臭い。




「バネから財布もらうことなんかいつでも出来たけど…あの女共から離れたかったからお前に話しかけたんだ…」







あの女の子たちから、離れるために…?






「そう、ですか…」


うまく返せない。

こういう時、なんて言ったらかわいいんだろ…





カチ…


缶コーヒーの蓋を開け、グビグビと飲み始める空翔さん。




「ここは飲食厳禁ですよ。先生が戻ってきたら怒られると思います」

「大丈夫だよ。つーか、当分戻ってこねえだろ」

「…どうしてわかるんですか?」

「さっき人気のない教室で、保健の先生と男がいちゃついてんの見たから」

「えっっっ!」


嘘!




「誰誰!?保健の先生と誰?」

「男はジャージ着て、メガネだった。女は白衣着てたし、すぐ保健の先生だってわかったけど…男はわかんねえな。俺今日この学校来たばっかだし。つーか急に元気になんなよ、噂好きのおばちゃんかお前は」
< 126 / 202 >

この作品をシェア

pagetop