一途な彼は俺様モンスター
「う…」


誰がうわさ好きのおばちゃんよ!

この学校の生徒なら、そんなこと言われたら誰だって気になるでしょ!


でも、メガネかけた先生って誰だろう…

学校嫌いだったから、先生のこと全然知らないや(笑)


よく授業サボって保健室に来てたから、保健の先生は知ってたけど。





「っと…」



どさっ



「・・・・」



缶コーヒーを私に預け、ベットに寝転がり腕を頭の後ろにまわす空翔さん。





「…バネちゃんは?」

「昼飯買いに行かせてる」

「今日は学校はお昼まででだから、昼食はないですよ?」

「いいじゃん。屋上行って、バネと3人で食おうぜ」

「…!」


屋上?





「屋上は立ち入り禁止なんです…だからドアに鍵がかけてあるし」

「大丈夫。俺が飛んで連れてってやるよ」

「え?」


空翔さんの翼で飛んで…?






「俺たちだけの秘密」



そう言って子供みたいに微笑む空翔さんを見て、今日一番胸が高鳴った。



この瞬間が、すっごく幸せ…

これってやっぱり…そういうことなの・・・・?









「それは“恋"よ。間違いない!」



その夜

私は夜な夜な真由子さんの部屋を訪ね、空翔さんに抱き始めた自分の気持ちを相談した。






「やっぱりそうですかね?」

「そうよ!好きな人と一緒にいるだけで、ドキドキするもんなのよね~」


懐かしむように言う真由子さん。

出会って間もない楓雅さんとの思い出を、思い出しているように見えた。





「…で、何をそんなに悩んでるの?」

「あ、えっと…」


少し迷ったが、正直に真由子さんに打ち明けることにした。
< 127 / 202 >

この作品をシェア

pagetop