一途な彼は俺様モンスター
「ご、ごめん!ちょっとスマホいじってた…」


私は、一度手にしたペットボトルの水2本を元の棚に戻し、食料庫のドアを閉めた。

そしてお兄ちゃんの部屋の冷蔵庫から出した水だけを持って、キッチンへ戻った。




「…お、お待たせ……」

「ああ、ありがとう」


キッチンへ行くと、お兄ちゃん洗い物を終えた所で、スポンジを丁寧に洗っていた…


昨日…

夜中起きた時、そのシンクに血がついてた……


あれは…あの冷凍庫の血なの………?




「どうした?顔色が悪ぞ?」

「………ぇ」


お兄ちゃんは、私を心配そうに覗き込んでいる。




「な、何でもない。お風呂入ってくる…」

「ああ」


私は持ってきた水をキッチンの冷蔵庫に入れ、バスルームに逃げるように入った。



なんだが、すごく怖くてたまらなかった…


私は、見てはいけないものを見ちゃったのかな……





チャポン…


湯船に浸かっている時も、考えるのはやはりさっきの冷凍庫に入っていた血のこと…

昨夜のあのシンクの血……



お兄ちゃん、一体何を隠してるんだろう……


こんなことを、お兄ちゃんに抱くのは初めてのことだった。
< 13 / 202 >

この作品をシェア

pagetop