一途な彼は俺様モンスター
私はそんなことを、密かに望んでいた…


空翔さんと私に、なにか複雑な過去があったにせよ…

私たちが心のどこかで想い合えているのなら、自然に触れ合える気がするの。


私はそうだと信じてる…




「あれ?つっても今日は、午前中で学校終わりだろ?」

「!」


自分の世界に入っていたら、空翔さんが冷静に言った。




「あれ…?そーでしたっけ?」

「ああ。お前聞いてなかったのかよ…」

「あ、ハハハ」


はい、聞いてませんでした。




「だから、弁当作っても意味なくね?」

「ハッ!」


ガーン…!!!!




そっか…

今日はお昼は学校で食べないんだ…


い、いやでもっ




「昨日だって午前中終わりだったけど、バネちゃんと3人でお昼食べたじゃないですかっ!だから今日だって、3人で食べましょうよ!」


そうだよ!

また屋上で、3人でのほほんと食べればいいじゃん♪





「あ、ごめん。俺今日は午後一から仕事」



ガーーーン…!




うそ…





私の心は崩れ落ち、テンションは一気に落ちていった。






せっかくのラブラブ作戦が、水の泡…


私のバカ。


今日は午前中までの授業だってことも気づかず、

おまけに空翔さんが仕事だなんて…



お弁当作るなら、せめて空翔さんに今日のスケジュール聞いてからにするんだった。

ちょっと驚かせたかったのもあるけど、詰めが甘かったな…





「ま、それでも関係ねえか…仕事に弁当持ってけばいいわけだしな」




そう言って、ちょっと嬉しそうに笑い、リビングへ行く空翔さん。





「そ、そうですね!じゃあ、お弁当箱に詰めますね♪」


私のテンションは、一気に上がった。



やっぱりお弁当作って良かった♥


私って…すごく単純…












「え?残業?」


テーブルに並べられた夕食を前に、電話をする私。
< 131 / 202 >

この作品をシェア

pagetop