一途な彼は俺様モンスター
その言葉に、ゾッとする…


空翔さんたちとの楽しい生活を知ってしまった今、

またお兄ちゃんとの孤独な生活を送らなければいけないと思ったら、体中から拒否反応が出た…




「絶対嫌っ!あんたのことろになんて戻らない!」

「…まー言ってろよ。お前はこのまま、俺と一生いることになる…周りの目から離れて、俺と二人きりだ」

「…どういうこと?」


私がそういうと、お兄ちゃんの口元がクッと上がる。




「前はお前と人間の中で暮らしていたけど、今度は違う…誰もいないところで、俺とお前だけで暮らすんだよ」

「っ!」


鳥肌が立つ…

そんなこと、想像もしたくなかった。





「誰があんたなんかと!そんなこと絶対にしない!」

「はいはい」

「きっと…空翔さんが助けに来てくる!だから…」

「お前がそんなこと言ってられるのも、今のうちだ。またお前の記憶消せば、あのヴァンパイアのことも忘れるだろう…」

「っ!」


記憶を…

消される…?





「そしたら、また俺の兄だと思い込むさ…」

「・・・・・」



忘れてた。

こいつは、記憶を奪う力を持っている…



嫌だ。

記憶をこれ以上奪われるなんてっ…






頭に浮かぶのは、仲間のみんな…


仲間であり、友達であり…

私の大切な家族…



お姉ちゃんのような真由子さんのことも…


お兄ちゃんのような楓雅さんのことも…


弟のようなバネちゃんのことも…




そして…



空翔さんのことも…









大好きな空翔さんのことも…


忘れたくなんかないよ・・・





もう、忘れたくない…!








空翔さん!










助けて…
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