一途な彼は俺様モンスター
浅海は山のふもとの小さな村に住んでいて、ひょんなことから俺たちと知り合い、こうやってよく遊ぶようになっていた。
まあ遊ぶというか、修行をしてる俺たちを浅海が邪魔してる方が正しかったか(笑)
でも、浅海が来ることは嫌じゃなかった…
当時の浅海は、俺たちがヴァンパイアだということは理解していたかはわからないが…
俺たちのようなガキが、こんな山奥で修行をしていても不思議には思っていなかったみたいだった。
『ねえ、つーちゃん』
昼飯時
修行を中断して川で魚を取っていると、岩場に座っている浅海が、俺に話しかけてきた。
『あー?』
『つーちゃんたちはさ~ずっとここにいるの?』
“ここ”っていうのは、この山のことだよな?
『ずっとかどうかはわかんねーけど…』
『ふーん…』
『なんで?』
『…つーちゃんたちとはなれたくないから』
!
俺は釣竿から目を離し、浅海の方を見た。
『あさみね…村ではいつも大人たちといっしょで、あんまり友達と遊ばせてくれないの…あぶないからって…』
『・・・・・』
『お父さんはね、つーちゃんたちとはあそんでいいって…つーちゃんたちは強いから。だからあさみね、村の友達と遊べなくても…つーちゃんたちと遊べるならいいの…でも、いつかつーちゃんたちが遠くに行っちゃうなら、いやだなーって…』
『…』
膝を抱えて言う浅海から、俺は目をそっと離した。
そして…
『なら、あさみは…俺のパートナーになればいい』
『え?パートナーってなに?』
『ヴァンパイアは、大人になったら人間の女を一人だけ選べるんだよ。その選んだ女と、ずっと一緒にいていいんだよ』
『………!』
浅海の表情が、パァっと晴れていく…
そして満面の笑みになり、浅海は「うん!」と頷いた。
俺はその笑顔を横目で見ながら、胸の奥のくすぐったい感じを、体中で感じていた。
浅海と知り合ってすぐ、俺は浅海が好きになった。
まだガキだったけど、浅海のことはちゃんと異性として意識していたし…
大人になったら、本当に俺のパートナーになって欲しいと思っていた。
これは俺だけの秘密。
楓雅にさえ言ってなかった…
まあ遊ぶというか、修行をしてる俺たちを浅海が邪魔してる方が正しかったか(笑)
でも、浅海が来ることは嫌じゃなかった…
当時の浅海は、俺たちがヴァンパイアだということは理解していたかはわからないが…
俺たちのようなガキが、こんな山奥で修行をしていても不思議には思っていなかったみたいだった。
『ねえ、つーちゃん』
昼飯時
修行を中断して川で魚を取っていると、岩場に座っている浅海が、俺に話しかけてきた。
『あー?』
『つーちゃんたちはさ~ずっとここにいるの?』
“ここ”っていうのは、この山のことだよな?
『ずっとかどうかはわかんねーけど…』
『ふーん…』
『なんで?』
『…つーちゃんたちとはなれたくないから』
!
俺は釣竿から目を離し、浅海の方を見た。
『あさみね…村ではいつも大人たちといっしょで、あんまり友達と遊ばせてくれないの…あぶないからって…』
『・・・・・』
『お父さんはね、つーちゃんたちとはあそんでいいって…つーちゃんたちは強いから。だからあさみね、村の友達と遊べなくても…つーちゃんたちと遊べるならいいの…でも、いつかつーちゃんたちが遠くに行っちゃうなら、いやだなーって…』
『…』
膝を抱えて言う浅海から、俺は目をそっと離した。
そして…
『なら、あさみは…俺のパートナーになればいい』
『え?パートナーってなに?』
『ヴァンパイアは、大人になったら人間の女を一人だけ選べるんだよ。その選んだ女と、ずっと一緒にいていいんだよ』
『………!』
浅海の表情が、パァっと晴れていく…
そして満面の笑みになり、浅海は「うん!」と頷いた。
俺はその笑顔を横目で見ながら、胸の奥のくすぐったい感じを、体中で感じていた。
浅海と知り合ってすぐ、俺は浅海が好きになった。
まだガキだったけど、浅海のことはちゃんと異性として意識していたし…
大人になったら、本当に俺のパートナーになって欲しいと思っていた。
これは俺だけの秘密。
楓雅にさえ言ってなかった…