一途な彼は俺様モンスター



お兄ちゃんが殺されるのかと思うと、やっぱりどこか胸が痛む。




「そんな顔してんのも今だけだ。記憶を取り戻せば、きっとお前はあいつを恨むよ」

「…そうですか…ね」

「そうだろ。だって、お前の血をコソコソと奪ってた奴だぜ?お前が血を吐くたびに、本当は喜んでたってことじゃねえか」

「!…私がよく吐血すること、知ってるんですか?」

「ああ、それも調べ済み。お前の吐いた血を、あいつが保存するとこもちゃんと見てたぜ」

「…じゃあやっぱり……お兄ちゃんは、私を利用してたんですね」

「だから、そう言ってるだろ(汗)」

「わ、私の血って…何なんですか?それに特殊な血を持つ種族って・・私何者??」

「あーそれは…」



コンコン





その時、私たちがいる部屋のドアを叩く音がした。



「はい」


ドアに向かって返事をする、男の人。




ガチャ


「浅海ちゃん、起きた〜?」





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