一途な彼は俺様モンスター
こんな小さい子が、こんなことを思うなんて…

人間と違って、モンスターは生きてきた環境が違いすぎるってことだよね…





「だから空翔様のためなら、ボクはなんだってします!ずっと死ぬまで、空翔様のそばにいたいんデス!」

「・・・・」


私、恥ずかしいな…

バネちゃんよりも、年上なのに…こんなしっかりしてないよ…





「浅海様は…全然覚えてないんですか?」

「えっ…」


少し気まずそうにうつむきながら、バネちゃんは言った。






「空翔様のこと…少しも覚えてないですか…?」







空翔さんの…こと…?


バネちゃんの顔は、真剣だった…





「ごめんなさい…覚えてないの…」

「…仕方ないですよ。記憶を消されているんですから…」



そうだ。

私の記憶は、消されてるんだ…


消されてるだけじゃない。

すり替えられてる…






「早く思い出して欲しいデス…そしたら…」

「?」

「空翔様が幸せになれるから」







バネちゃんは…

なんのことを言ってるんだろう…


全然わからない。



でも…

何でだろう…



私も早く記憶を取り戻したいの…


無性に、そう思った…







ガチャ…








すると、部屋のドアが開いた。

とっさに、ビクッと驚いてしまう…





「空翔様!」


あ…



部屋に入ってきたのは、空翔さんだった。


空翔さんは汗をかいていて、すごく暑そうだった…
< 72 / 202 >

この作品をシェア

pagetop