一途な彼は俺様モンスター
そんなあだ名嫌だっ



「もっと、マシなあだ名ないですか…?」

「…じゃあ“ぷー”で。腹減ったから、飯にして」

「ぷ、ぷー!?ですか!!?」


ぷに子を、短くしただけじゃん…




「ぷに子とかぷーなんて…嫌ですよ!」

「なんで?お前ぷにってるじゃん」




そう言って空翔さんは、私に手を伸ばしてきた…




「ここもだろ。ここも…あとここ」

「・・・・」


私の頬やあご、鼻をつまむ空翔さん。




「や、やめてください!」

「へいへい。つーか腹減ったって…」

「あーはい、すぐ作ります」


言いたい放題言って、今度は腹減ったって?

忙しいな…





「あ、そうだ浅海。明日はスイミングやるから、水着の用意しとけよ?」

「えっ…スイミング!?」


明日のジムは、スイミングやるの!?

てか、ジムって今日だけじゃなかったんだ…




「持ってます…スクール水着なら」


高校の授業で必要だから買ったけど、学校の体育はほとんど見学してたから、ほぼ新品状態だよ。




「お、スクール水着てゆうものいいな。逆にエロい」

「なっ、なにを言ってるんでしょうか…」

「こっちのこと。明日の朝は、朝食しっかり食えよ。スイミングだから、しっかり食べないとやばいぞ」

「…はーい」


スイミングかぁ。

私泳げないから、憂鬱だ…





「少しでも水に慣れとけば、夏休みに海とかプール行けるんだから、ちょっとでも頑張れよ」

「え…」


海…?

プール…?





「…行きたくない?」

「いえ!行きたいです!海!行きたい!!」


海なんて、行ったことないから!







「じゃあ決まり。8月にでも、みんなで行こうぜ」

「…はい!」


夏休みが、こんなに楽しみだと思ったことは初めてかもしれない。





「あ。海行くときは、さすがにスクール水着はやめろよな」

「・・・・はぃ」
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