一途な彼は俺様モンスター
私はシャーペンを握り、残りの宿題を一気に片付けた。

楽しみがあると思うと、不思議と嫌いな宿題も進んだ。









その夜



シューーーーパチパチ…



「きゃー♪」

「きれい」


夕方、仕事から帰宅した大人3人。

早めに夕食を済ませて、近くの公園へ花火をしにやっきた私たち。





「すごいすごい!」

「こらバネ!羽出して飛ぶな!誰かに見られたらどーすんだ」

「ハハハ」


両手に花火を持ち空を飛ぶバネちゃんを、楓雅さんが追いかける。

それを見て真由子さんが笑う。

私と空翔さんはというと…






パチパチ…バチ…



3人から少し離れたところで、二人で線香花火に夢中…

どちらの火の玉が落ちずにいられるかで、地味な勝負をしていた。





「…俺ら地味じゃね?」

「ってゆうか暗い?」

「ま、いいか。きゃーきゃー騒ぐタイプじゃねえしな」


近くではしゃいでいるバネちゃんたちを見て、フッと笑う空翔さん。





「線香花火が一番好き。ってゆうか…始めてやったけど…」

「初めてじゃねえよ。ガキの頃、よく二人でやっただろ…」

「!」


子供の時に…空翔さんと?






「覚えてねえか…」


ははっと軽く笑う空翔さんに、私は「ごめんなさい」とつぶやく。





「謝ることじゃねえよ…あ。落ちやがった」

「私の勝ちー…あ・・・」


空翔さんの持っていた、線香花火の火が地面に落ちてすぐ…私の火の玉も静かに地面に落ちた。





「もう線香花火ねえの?」

「…ないです」


結構いっぱいあったのに、私と空翔さんで全部やっちゃった…





「…買ってくるか。あとで、バネがうるさそうだし…」

「あ、私も行きます」

「当然だ。お前も線香花火やったんだから、強制だろ」

「…はい」


私と空翔さんは立ち上がり、楓雅さんたちに近づいた。
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