金恋~カネコイ~
「夢子(ユメコ)、ついでに
こやつを部屋に連れて行ってくれんかのぅ。」
夢子ってのはどうも
このちっちぇ女の名前らしい。
夢子は顔をしかめて
眉間にシワをよせていた。
「わ、わかりましたわ。おじい様。
お父上とお母上の部屋ですの?」
「そうじゃなぁ~。
そこに案内してやってくれ~。
でわ、わしはこれで。
またのぅ~。」
じじいはどっかへ行ってしまった。
「はぁ~。」
横では夢子が、
ため息をついていた。