愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「怖かったですね。もう大丈夫ですよ。誉さんももうすぐ戻ります」 

 片山くんに頭を撫でられながら、私達も遅れて部屋を出る。 

 それから、高倉を警備員に預け3人で居室に戻ると、誉と西島さんが出張から戻って来ていた。

 片山くんから連絡を受けていたのか、誉はドアの前で待っていた。

「瑠璃」 

 誉が私の名前を呼ぶ。

 彼の顔を見て安心したのか、急に涙が溢れた。

「・・・・」 

「泣くほど俺に会いたかった?」 

 誉が私の涙を拭いながら悪戯っぽく笑う。

「馬鹿、誉。さっさと胸貸しなさいよ!」

「はいはい」

 誉は私の言葉に従い素直に抱き締める。

 優しく守るように。
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