愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 高倉の言っていた期限は明日だ。

 どうしようか。

 聖くんが作ったソフトを盗むつもりはない。

 とすれば、私の取るべき道は1つしかない。

 明日高倉に会ったら、派遣会社にここを今年一杯で辞めると伝えよう。

 短い間だったけど、楽しかったな。

「誠二、無口なお前が何いろいろバラしてんの?」

 本社から戻ってきたのか、誉が背後から私を抱き締める。

「これは俺のだから、いくら誠二が頼んでもやらないぞ」

「・・・いるかボケ」

 西島さんが呆れた様子で呟く。

「誉、セクハラ!もう離れてよ」

 私が腕で誉の胸を突くと、奴はふざけた調子で私から離れた。

「じゃあ、続きは家で」

「・・・・」

 こいつの辞書には羞恥心って言葉はないのか。

 そのスケベ男!
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