愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「でも、私のためにそこまでしなくても」

 お局が誉の企みにまんまと乗せられたかと思うと、手放しでは喜べない。

「俺はね、俺以外の誰かが瑠璃をいじめるのは許せないんだよ」

「何その変な独占欲。歪んでるわよ、鬼畜悪魔」

「鬼畜悪魔で結構。でも、彼女は放置しておくと危険だ。お前もそれくらいわかれよ。聖が気づかなかったらどうなってたかわからなかった」

「・・・・」

 誉の言葉に、あの蛇男に顎をつかまれた時のちょっとベトっとした気色悪い感触を思い出す。

 それにあの気持ち悪い眼。

 背筋がゾクリとした。

 片山くんと一ノ瀬くんが来てくれなかったら、あのまま私は殴られてボロボロにされてたかもしれない。

 多分、片山くんは誉に頼まれて私の事を見張っていたのだろう。
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