愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「誠二、こいつに俺の戸籍謄本見せてやれば」

 なんで私のじゃなくて誉の戸籍謄本?

 疑問に思っていると、西島さんが胸ポケットから封筒を取り出し高倉の前で広げた。

 戸籍筆頭者のところに有栖川誉と書いてある。

 だが、筆頭者の下の欄を見て私も高倉も呆然となった。

「何で誉の戸籍に私の名前が?」 

 書類には“瑠璃”と記されていて、その下の婚姻欄には婚姻日が12月24日、配偶者氏名が有栖川誉となっていた。

「何だ、この書類は?」

 高倉は自分の目が信じられないのか、何度も目をこすって瞬きする。

「一目見てわからないほど阿呆なのか」

 そんな蛇男の姿が滑稽に映ったのだろう。

 誉が馬鹿にしたように冷ややかに呟いた。

 こんな冷たい眼をした誉は初めて見た。

 そして、驚愕の事実を伝える。
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