愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 ケーキの上にはサンタからプレゼントをもらう可愛い女の子の飾り。

「食べるのもったいないですね」

 私は思わず呟く。

「ケーキは有り難くいただかないと作ってくれた人に失礼だよ。ほら、聖、一番いいとこ早瀬さんにあげて」

 誉が片山くんを急かせば、彼は上手に飾りのところをカットして私にくれた。

「ありがとうございます。頂きます」

 お礼を言って一番先にケーキを口にすると、あまりの美味しさに微笑んでしまった。

 秘書課にいたからいつも有名店のケーキを食べ慣れていた私だが、今食べたケーキは今まで食べた中でも一番だ。

 生クリームと苺の甘さが絶妙のバランスで出来ていてとても美味しい。

 それに何より、このケーキの飾りに心惹かれた。

 サンタからプレゼントを貰う少女の姿は、昔の私の願望そのもの。
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