愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「瑠璃先輩、ご結婚おめでとうございます。これ、有栖川さんと2人の時に開けて下さいね。今夜から使えると思いますよ」

 萌ちゃんが綺麗にラッピングされた箱を私に手渡してくれた。

 私だってさっき知ったのに、萌ちゃんはいつ知ったんだろう?

 きっと片山くんが教えたんだろうな。

「ありがとう。でも、結婚の事実はさっき知ったんだよね。だから、全然実感ないなあ。指輪もしてないし」

 私が苦笑すると誉が私に向かってにっこり笑った。

「指輪、身につけてるよ」

「え?」

「ここ」

 誉がハートのネックレスのペンダントトップを指でトントンと叩く。

「これは指輪じゃないじゃない?」 

「まあ、見てて」

 誉がペンダントトップに人差し指を数秒あてる。

 すると、ロケットになっていたのか、中が開いた。

 そこにあったのは指輪だった。
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