愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「あっ、すみません。私もトロ頂いてます」

 萌ちゃんが慌てて誉にぺこりと頭を下げる。

「いや、女の子はいい。たくさん食べて」

 誉が女殺しの笑顔で萌ちゃんを瞬殺する。

 ホント、無駄にハンサムなんだよね。

 苦笑しながら私も誉と一緒にカウンターに座って中トロをお願いする。

 築地の有名店ので凄く美味しい。

 口の中で溶けそう。

 きっと普通に食べたら一貫2000円前後するはずだ。

 そんなことを考えながら3貫目のお寿司に手を伸ばした時、片山くんが立ち上がって椅子の下から紙袋を取り出した。

「誉さん、瑠璃さん、ご結婚おめでとうございます。これささやかですけど、誠二さんと颯と僕からです」

 片山くんが有名ブランドの箱を差し出す。

「みんなありがとう」

 受け取って中を見ると、そこには綺麗なガラス彫刻のフォトフレームが入っていた。
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