愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 本当に私を寝かそうとしていたのかもしれない。

 誉はゴクゴク音を立てて水を飲むと、シーツを捲ってベッドに入ってきた。

 私がもう寝てると思ってる。

 だが、誉が私に触れると、奴はハッとしたのか私の名前を呼んだ。

「瑠璃?」 

 きっと驚いたのだろう。

 触った感触がバスローブではなく薄い生地だったのだから。

「起きてるのか?」

 誉がベッドサイドの明かりをつける。

「起きてるよ」 

 私が目を開けると、誉と目があった。

「私にとってはこれが新婚初夜だから」

 そう言って、ベッドから起き上がる。

 恥ずかしいのを精一杯我慢して、誉の前に座る。

 奴は私の身体をしばらく眺めると、自分も起き上がって私にキスをした。
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