愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 秘書室のドアをノックして中に入ると無人だった。

「みんなお茶だしにでも行ったのかな?でも1人もいないなんてなんかトラブってる?」 

 ホワイトボードに書かれた役員のスケジュールを何気なく見ていて驚いた。

 会長が来ている。

 ということは、成宮もいる。

 来週解任されるのに何しにきたのだろう。

「一応誉に知らせておくか」

 スマホを取り出しメールを打とうとすると、嫌な声がした。 
 
「おや、今日ここで会うとはあなたとはご縁があるらしい」

 成宮だった。

 彼の口調が悪意に満ちているように感じるのは気のせいだろうか?

「おはようございます。いらしてたんですね。私の用事はすんだのでこれで失礼します」 
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