愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
2、心臓が持ちません
 暗闇が心地良いと感じたのは初めてじゃないだろうか。

 安心感があって、とても気持ちよくて。

 胎児がお母さんのお腹の中で眠るような。

 そんなふわふわしたような感覚。

 ずっとこうしていたい。

 このままずっと眠っていたい。

 身体を優しく抱き締められて、胸元に温かいキスの雨が落ちる。

 肌に触れるその温もりに安心しきって眠る。

 すごく気持ちがいい。

 温もり?

 え?

 ええー?

 パッと目を開けて起き上がると、そこは自分の部屋ではなかった。

 白い壁とダークブラウンの家具で落ち着いた部屋。
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