愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 そんな私の思いが伝わったのか、誉が口を開いた。

「キスだけじゃあ足りない。ここ病院だけど抱くから」

 少し早口の誉は、呼吸を乱しながら私の胸元に顔を埋める。

「・・・でも」 

 病院なんかでするわけにはいかない。

 看護婦さんに見つかったらどうするの?

 理性が邪魔をする。

「瑠璃はここでお預けでいいわけ?」

「・・・・」

「俺は今すぐ瑠璃が欲しい」

 私がまだ躊躇っていると、誉は殺し文句を口にした。

「・・・私も欲しい」

 病院でしちゃうなんて正気の沙汰じゃない。

 でも、多分今夜は誉よりも私の方が欲しいって気持ちが大きい。

 誉と一つになりたいって私の手術跡がどうしようもなく疼いた。
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