愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 私はこの俺様な悪魔にすっかり毒されているのかもしれない。

 今度は私からキスをする。

 それが合図となり、誉は私の服を脱がすといつもと違って荒々しく私を貪った。

 いつも余裕のある誉にしては珍しかった。

 多分、今生きてるこの瞬間が大事なんだって実感したのかもしれない。

 お互い触れ合う身体は温かい、というか熱を持ってる。

 それは、私も誉も生きているからだ。

 打ち所が悪ければ、今こうして誉に抱かれることはなかったかもしれない。

 お互いの存在を確かめ合う。

 その行為がどんなに荒々しくても、身体の痛みが逆に私を安心させる。

「50歳になっても100歳になっても愛してる」

 もうくたくたに疲れて、睡魔の誘惑に勝てない私を見ながら誉が甘く囁く。
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