愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 自分の寝ているベッドの横に座ってその部屋の主らしき人物は、持っていたノートパソコンを脇にやると妖しく微笑んだ。

「やっとお目覚めか、早瀬瑠璃」

 魔王降臨……。

 怖い。

 笑ってるけど、その眼が怖い。

 何で誉と同じベッドにいるの!

 叫びたいのを我慢する。

 きっと悪夢だ。

 久々に再会したから夢に出てきちゃったんだ。

 もう一度寝ちゃってもいいかな?

 毛布を頭から被って目を閉じる。

「現実逃避は良くないな。本気で襲っちゃうけどいいの?」

 毛布を捲って誉は私の鎖骨をペロリと舐める。

 その瞬間私の身体はピクリと震えた。

「きゃっ!起きます!」

 夢じゃない。
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