愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 全く予想外の行動。

 こいつは私を殺す気か?

 こんな醜い手術跡になぜキスをする?

 誉の考えが読めない。

「自分を卑下するなよ。これのお陰で、いま生きてるんだろう?」

 誉は手で優しく私の手術跡をなぞった。

 私の身体がぞくりと震える。

 無理、無理!

 これ以上、私の心臓持たない。

 心臓の音がドクンドクンと大きな音を立てるのが聞こえてくる。

 鼓動が早い。

 また穴開いちゃう!

「わかりました!わかりました!見合いに出席すればいいんでしょう!」

 早く離れて!

 この悪魔!

 思わず溜め息が出る。
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