愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 誉がカードキーで鍵を開けて中に入ると、玄関には見慣れたパンプスとサンダルが数足。

 目の前にはダンボールの箱が6個。

 すごくすごーく嫌な予感がした。

「何これ?」

 思わず呟く。

「瑠璃の荷物」

 悪びれもせず、誉は答える。

「何で私の荷物が梱包されてここにあるのよ!」

「引越したから」

「それ答えになってない。何で私の許可なく勝手に引っ越しするのよ!」

「落ち着いて。俺と同棲するのが嬉しいのはわかるけど興奮し過ぎ」 

 落ち着ける訳がない。

「嬉しいわけないでしょ。何でそんなに勝手なの?」

「そんなに怒るなよ。心臓に負担かかる」

「あんたが負担かけてるんでしょ。どういう事か説明しなさいよ」
< 40 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop