愛しい君～イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい～

「健診の結果が良かったら、また奴隷のようにこき使うって予め俺は言ったけど？うちの家事全般よろしく」

「健診の結果わかったのは１時間ほど前よ！その前から誉は企んでたでしょうが。どうやって大家さんから鍵貰ったのよ」

「婚約者って言ったらあっさり。ああ、大家さんからお幸せにって伝言が」

　そんな伝言いらない。

　きっと、大家さんはこのとびきりハンサムな顔にコロッと騙されたに違いない。

「婚約者って。あのお見合い一回だけの話でしょう！」

「馬鹿だね。うちのじじいがそれで納得するかよ」

「聞いてない！最初から計画してたんでしょう？この腹黒男！」

「俺、お腹空いたんだよね。久々に和食食べたいんだけど。あっ、化学調味料は使うなよ。ちゃんと出汁から取って。材料は揃ってるから」

　誉は靴を脱ぐと、私を置いてスタスタとバスルームの方へ歩いていく。