愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 家事をする人間が欲しいなら家政婦雇いなさいよ!

 怒りが収まらない。

 でも、怒ってばかりいたらお腹が空いてきた。

 まずは何か食べて、それから誉に文句を言おう。

 彼の相手をするのはすごく疲れる。

 キッチンへ向かい、冷蔵庫を確認する。

 誉が言っていた通り野菜、肉、魚、調味料も揃ってる。

 食器棚にはほとんど使われた形跡のない食器があった。

 土鍋や圧力鍋まである。

 早く食べたいし、今夜はもう鍋にしよう。

 野菜や魚を切るだけだし簡単だ。

 締めはおじやにして・・・・。

 イライラする気持ちを抑えて食事の準備をしてると、誉がルームウェアに着替えてやってきた。

「鍋なんだ?冬だしいいね。こういうのちょっと憧れてたんだ。鍋、買っといて正解だったな」

「今夜だけよ」

 私は冷たく断言する。
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