愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「興信所でも使えば瑠璃の居場所なんて簡単にわかる。俺はお前の派遣会社からもらったデータでお前のアパートに簡単にたどり着いたけど」 
「でも、この2年、何もなかったのよ」

「2年で状況は変わる。高倉商事はこの2年でかなり経営が悪化した。
早瀬との合併を画策してるらしい」

 誉は急に真剣な表情で私を見つめた。

「そんなに高倉の嫁になりたい?」

 なんなのこの雰囲気。

 いつもからかってばかりの誉がこんな顔するなんて・・・。

 なんだか調子狂う。

「・・・なりたくない」

 あんな気持ち悪い奴に近づくのも嫌だ。

「聡はアメリカだし、他に頼れないよね?俺が日本に帰ってきて幸運だったね、感謝してよ」

「家政婦代わりにされてるのに誰が感謝するか」

「素直じゃないな。一度認めれば楽になるのに」

「何を認めるのよ?」

「それを俺が言っちゃあ面白くないでしょ。やっぱり本人が言わないとね」
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