愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「僕、ソフト開発してるでしょ?アメリカにいた時、興味本位で暗号解読のソフト作ったら、NSAとかの暗号も解読しちゃって、国に目をつけられちゃったんですよね。NSAっていうのはアメリカの国防総省の諜報機関のことなんですけど」

 片山くんは舌を出して軽く言っているが、そんな茶化して言える話ではないのでは?

 NSAとかハリウッド映画に出てくる言葉じゃない。

「軍の管理下に置かれそうになったところを、誉さんがいろいろコネを使って助けてくれたんですよ。僕の事は毎日監視されてますけどね。ここを1歩でも出れば軍の人間が数名漏れなくついてきます」

 片山くんはニッコリ微笑む。

 ついて来られても全然嬉しくない。

 それって、毎日命の危険にさらされてるってことだよね? 

「片山くんは怖くないの?」

「誉さんの方が怒らせると怖いですよ。でも、あの人は守ってくれるから安心ですよ」

 片山くんの瞳に宿るのは絶対の信頼。
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