愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「・・・・」

「すみません。チーム内の打合せを兼ねてのランチなので、申し訳ないのですが外して頂けますか?」

 私が黙っていると、すかさず片山くんが助けてくれた。

 柔らかな笑みを浮かべてすごく紳士的な態度だっけど、彼の眼力に負けたのか西園寺さんが渋々腰を上げる。

 お局は私に近づくと、耳元で呟いた。

「いい男2人も侍らせていいご身分ね。これだから派遣は嫌ね。男あさりに来てるのかしら」

 西園寺さんが口角を上げてほくそ笑む。

 つくづく人をいびるのが好きな女ね。

「誰が男あさりな……」

 私がイラッとして反論しようとすると、一ノ瀬くんが遮った。
 
「社長秘書か何だかしらないけど、スカートのファスナー何とかしたら?」

 突然の一ノ瀬くんの言葉に思わず西園寺さんのスカートを見ると、確かにファスナーが開いたままになっていた。
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