愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 どうしてこういう時にいないかな。

 思わず溜め息が出たが、気を取り直して受付の女の子に聞く。

「すみません。男性ですか女性ですか?」

『若い女性の方です。早く来て頂けませんか?』

「わかりました。すぐにそちらに行きます」

 誉の見合い相手の女の子。

 まだ、議員の方じゃなくてましだったのかな。

 でも、厄介だな。

「片山くん、一ノ瀬くん、私ちょっとロビーに行ってくるね」

 2人に声をかけてから居室を出て、早足でロビーに向かう。

 受付には真っ赤なコートを着た女性がいた。

 周りはスーツ姿のビジネスマンばかりだし、こんな明るい時間に真っ赤なコートは目立つ。

 派手すぎてちょっとキャバ嬢みたいな感じが。。。

 伊集院・・・下の名前何だっけ?

 ・・・・覚えてない。
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