愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「・・・・」

 彼の言葉でこれから自分がどうなるのかわかった。

 経験はなかったけど、この雰囲気で察しないほど馬鹿じゃない。

「いいのか?」

 誉の真剣な眼差しに応えるようにゆっくり頷く。

 誉ならいいと思った。

 ううん、誉しか駄目かもしれない。

 すると、彼は私をベッドに押し倒して私に口づけた。

 優しいキスだった。 

「キレイだ。ずっとこうしたかった」 

 誉は私の耳元で甘く囁くと、自分も服を脱ぎながら私の身体中にキスをした。

 胸の手術跡には何度も何度も繰り返しキスを落とす。

 それはそれは愛おしそうに。

 それは誉なりの証明。

「俺はこの手術跡が好きだ。これがなかったら、今こんなこと出来ないだろ?」

 誉は悪戯っぽく笑うと、手術跡を下から上へとペロッと舐める。
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