愛しい君～イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい～

「これから業者呼んで修理してもらうと１時間以上かかると思います。その原本とファイルを私に頂ければやっておきますよ。期限は明日の朝一ですか？」

「ああ。悪い。今日はどうしても残業できなくて。……頼む」

　気まずそうに一ノ瀬くんはペコリと頭を下げると、自席に戻ってパソコンを操作し、コートと鞄を持って急いで出て行った。

「あいつ幼なじみの彼女いるんだよね。でも瑠璃さんはイブなのに残業して大丈夫なの？」

「どうせ予定ないし、残業代はちゃんとつけるから大丈夫です。片山くんこそ彼女いそうなのに大丈夫なの？」

「彼女作るのは何かと面倒で。今はソフトの開発の方が楽しいしね」

　まあ彼ほどの容姿なら、いつでも彼女は出来るだろう。経歴も凄い。

　さっき彼らの個人情報ファイルを整理してて知った情報だけど、片山くんはアメリカのMITの工学部を首席で卒業している。