愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
「誉、何やってるのよ!」 

「あの人一度怒らせるとうるさいだろ?だから、わざと叩かれたわけ」

 
「素手じゃなくて、杖なんだからね。少しは考えなさいよ」
 
 私は誉のスーツのジャケットとシャツを脱がす。

 右肩は腫れて痣になっていた。

「馬鹿ね、やっぱり痣になってるじゃない」

 誉の肩にペシッと湿布を貼ると、彼は顔をしかめた。

「怪我人なんだから優しく出来ない?」

「自業自得でしょう?」

「俺は優しく看病したのにな」

「私が寝てる間に出版社に伊集院議員を売ったの間違いじゃないの!」

「ああ、それは看病の合間にね。報復はちゃんとしないと」

「報復って・・・」

「瑠璃を傷つけたんだから当然だろ?泣き寝入りなんてしないよ」
< 95 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop