愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 午後になってもなかなか機嫌の直らない私に、誉は高級ホテルのアフタヌーンティーで機嫌をとろうとする。

「このスコーンで許してあげると思ったら大間違いよ」

 甘くて美味しいスコーンを口に運ぶ私を見て、彼は嬉しそうに目を細める。

「俺の分も食べていいよ」

 なんか私、また餌付けされてる?

 でも、このスコーン美味しい。

 スコーンに罪はないのだ。

 1人むしゃむしゃと夢中になって食べていると、誉はポツリと呟いた。

「その代わり、今日も抱かせてもらう」

 その呟きは私には届かない。
 
 今日もうちの悪魔は、私を見ながら妖しく微笑するのだ。
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