大っ嫌いなアイツに恋をした。
それでも、橘を目で追ってしまっている自分が嫌で先輩に告白。
でも、あっさり振られてしまい。
結構落ち込んでいた。
そこにまた、橘が現れて嫌味を言うもんだからかなり腹が立った。
あんたのことを忘れようとして頑張ってたのに、何だよって。
そもそも好きだなんて、何かの勘違いだったんだって。
こんな嫌味ったらしくてイジワルで強引なヤツ、嫌いだって。
橘を引っ叩いて、大っ嫌いと告げていた。
驚いたことに大っ嫌いと言ったらスーッと気持ちが楽になった。
ああ、やっぱりあたしは橘なんかに恋なんてしていない。
よかったと、正直思ったんだ。
……思ったんだ。
「橘、あの事件覚えてたんだ。忘れてると思ってた」
「は?……忘れられるわけねぇし」
なんだ。忘れてるわけじゃなかったんだ。
「つーか、あのときのお前、今よりかなり無愛想でツンツンしてたよな」