大っ嫌いなアイツに恋をした。
「……女だと思われてなかったんだぞ?もう振り向いてもらえないってわかってんだろ。なのに何で」
「わかってるよ。だから、努力しようと思う。恋愛対象に見てもらえるように頑張ろうと思うの」
まだ諦めたくない。
負けず嫌いだからあんな振られた方なんて納得いかない。
だから努力して、フられようと思う。
それならさっぱり諦めつからね。
「……しなくていいじゃん。そんなもん」
ポツリと呟くように言った言葉はしっかりあたしの耳に届いた。
「……え?」
「努力なんかしなくていい。そのままのお前を見てくれるヤツを探せよ」
そのままの自分?
「そんな物好きいないでしょ〜!いたら紹介してよ!」
笑って言うと、橘はため息をついた。
「お前、何もわかってねぇんだな」