大っ嫌いなアイツに恋をした。



「な、何であたしがそんな…」


もしかしてやっとモテ期到来!?



「知るかよ、お前が新種だからじゃねぇの」


「……新種?」



「ああ、女なんてみんな一緒じゃん?でも男みたいな女で可愛げもないヤツここらじゃいねぇし。この俺にもなびかねぇヤツなんて珍しいしな」



何それ。
全く褒められている気がしない。



「人を珍獣扱いしないでくれる?」



「珍獣だろ。無駄に強いしな」




橘はそう言ってフッと笑う。


全然嬉しくないんですけど。



「橘は何でそんなひどいイジワルなこと平気で言うのに女の子にモテるのよっ!世の中不公平でしょ!?」


どこの時代に嫌味ばっか言うヤツがモテるのよ!!



「そんなもん一つしかねぇじゃん。お前以外には優しくしてんだよ。ブッ、今まで気づかなかったわけ?」


クスクスと、バカにしたように笑ってくる。


「だいたいな、いくらひどいこと言ったって女はそれで興奮して悦ぶん」



「あー!はいはい!わかったから!」



わかったから黙って!

暗い部屋で変なこと口にしないでよね!




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