大っ嫌いなアイツに恋をした。
「何焦ってんだよ、何?俺と閉じ込められて変な妄想でもしてんの?」
本当にコイツは可哀想なくらいバカだ。
「そんなわけないでしょ。そう言うあんたが変なこと考えてんじゃないの」
そう言うと、橘は黙ってしまった…
かと思うと暗闇の中ニヤリと笑う気配がした。
「アタリ〜どうやってイジメてやろうか考えてたとこ」
「……は?」
嫌な予感がして立ち上がろうとしたけど足が驚くほど動かなかった。
座ったままあたしの横の壁に橘が手をつく。
「どうして欲しい?特別リクエストに応えてやるよ」
「……何言って、ど、どうしちゃったの」
「どうもしてねぇよ。男女が閉じ込められたらこういう雰囲気にもなるでしょうよ」
イジワルな低い声が鼓膜を擽る。