大っ嫌いなアイツに恋をした。
「ちょ、ちょっと待って!?お、落ち着こ?」
あたしのことなんて女だと思ってないくせにいきなり何なのよ…!
「フッ、焦ってんの?でもこっちは待てねぇし、落ち着いてる。つか、待たねぇ」
そう言って、あたしに顔を近づけてきた。
「ちょ、何してんの、離れて…!」
橘の胸板を押し返そうとすると、その腕は掴まれ……
「きゃっ」
傾いたあたしはなぜか床に押し倒されてしまった。
「女みてぇな声も出るんじゃん」
覆いかぶさった橘はクスッと笑う。
そして、橘は長く綺麗な指であたしの髪を弄んだ。
その指が頬に、顎に首筋に順を追っておりてくる。
擽ったくて身を捩ると橘はあたしの頬に手を添えた。