大っ嫌いなアイツに恋をした。
「やっぱ、お前面白いな」
「…んなこと言ってないで退いて!」
覆いかぶさる橘に抵抗しようも腕を掴まれ何も出来ない。
「とか言って、続き期待してんじゃねぇの?」
「は!?違っ、」
「イヤだったら普通蹴り飛ばすだろお前なら。俺は受け入れてくれんの?」
橘は頬に置いていた手を顎に添え、親指であたしの唇をなぞった。
「…っ」
どうしてあたしはこんなヤツにしてやられてるんだ。
悔しい、悔しい!
だけど抵抗したくても身体が動かない。
そっと、橘の顔が近くになる気配がして強く目を瞑ると……
ガチャ────
ドアの開く音がした。