大っ嫌いなアイツに恋をした。



柔道着を受け取るとき、なぜか陸に腕を引き寄せられた。


そして、まじまじと顔を見つめてくる。


「な、に……何か顔ついてる…?」


頬を触っていると陸がいきなり笑い出した。



「いや……美優センパイ、一段と可愛くなったなって」



「……は、?」



か、可愛くなっ……え?



「なに、照れてんすか?やっべ、ちょー可愛い」



なんて、陸はあたしの顔を覗き込むようにして見てくる。



「ば、バカっ、からかわないでよ!」



慌てて陸から離れるけれど、赤く染まった頬は元には戻らない。



「からかってなんかない。最近、一段と可愛くなったなってずっと思ってたんで…美優センパイ、恋してるんすか?」


ズカズカと微笑みながら言うこの子は後輩デスカ?



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