大っ嫌いなアイツに恋をした。
「…はっ、何言って…」
確かに、永見先輩に振り向いてもらおうと努力しているんだけど……
それを陸に気づかれるなんて。
「そりゃ好きな人の変化くらいすぐに分かるもんなんすよ」
「へ、へぇ……え?」
今なんて?
今サラッて言ったよね…?
「お礼と言っちゃなんですけど、学校まで送ってきます。朝練なんでしょ?」
陸は自転車の荷台に座るように促す。
「え、あ……でも…」
「ほら早く、遅れてもいいの?」
イジワルそうに笑う陸の後ろに乗せてもらうことに。
なんか……いつも可愛い陸じゃないような……