大っ嫌いなアイツに恋をした。



「……愛美」


小さく呟くと愛美は目線をこちらに向けて合図する。


どうしよ、愛美が女神様に見える…!



「笹原、お前もか〜。そーいやこの前ぶっ倒れてたもんな…水沢、笹原連れてってやってくれ」



愛美のお陰で教室を抜け出すことに成功した。


みんなはちょっと不審そうな感じだったけど…大丈夫だよね。



教室を出て、少し歩いたとき愛美は足を止めた。



「授業抜け出してまで橘に会いたい?」


愛美はニヤリと笑ってあたしに迫る。



「ち、違うよ!色々話し合いしたくて…みんなに誤解されたままじゃ嫌なの!」



「ふーん、でもまあ……誤解されたままでもいいんじゃない?橘とあんた、お似合いだし?」



頑張れ!と謎のエールを残し愛美は来た道を戻って行った。


愛美のヤツ、この状況楽しんでるな…どいつもこいつも!


ヤケになりながら階段を上り屋上の扉を開くとアイツはいた。





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