大っ嫌いなアイツに恋をした。
「遅い。俺を待たせるとはいい度胸してんな」
橘はダルそうにフェンスにもたれ腕を組んでいる。
「しょうがないでしょ!来てあげただけ感謝してよね!」
って、呼び出したのはあたしだけど…
「で、用は?」
よ、用はっていきなり言われても
「ん、何。俺と授業サボってイチャイチャしたかったから?」
ニヤリと橘は言う。
何がイチャイチャよっ!
どこかで頭打っておかしくなったか?
……いや、元々おかしいか。
「あ、あたしが言いたいのは…何でみんなの前で足立くんの言葉に乗るようなこと言ったかってこと!みんな誤解してるじゃん!」
そう言うと、橘は急に表情を変えた。
「女子のみんなにだって、変な誤解させて…傷つけたって悪く思わないの?」
「……どういう意味?」
どういう意味って…
「だ、だから…みんな橘のこと好きなんだよ?それなのにあたしなんかと…」