大っ嫌いなアイツに恋をした。
◇流れ星と黒い影
「ねぇ、どうなの最近」
「……ん?何が」
いつもと変わらないお昼休み。
あたしは愛美の席でお弁当。
すっかりジメジメとした季節、梅雨が過ぎとうとう夏本番!
やっぱり夏服って涼しいんだよね〜
「何がって、橘と。付き合ってるんでしょ?」
「…ブッハッ!ちょっ、」
食べていた卵焼きを吐き出す寸前。
あたしはなんとか堪え、涙目で愛美を睨んだ。
「図星〜?そんなに動揺しなくても」
ふふっ、とからかうように笑う。
「ちがっ!違うから!誰があんなヤツ…」
『じゃあ…逃げんなよ』
あのとき子どもたちが騒いでいなかったらどうなっていたの?
資料室のときだって、先生が入ってこなかったらどうなっていたの?